モバイルウェブの高速化

世界を見渡すと、モバイルウェブの最新回線である4Gが普及していない地域もあり、それらの地域では国家的事業として、回線の高速化を推し進めようとしています。

一方、企業単位でもあらゆる有名企業が自社サイトの高速化に乗り出し、その成功例が多数報告されています。Spotifyの事例もその一つで、同社は2017年の時点で、モバイルサイトを装備していませんでした。アプリだけを提供していたのです。しかしそのアプリをダウンロードしたいと考えているユーザーの多くが、実は実行を諦めていることが判明しました。その数は実に100万人にのぼると推定されたのです。彼らがダウンロードを諦めたのは単純な理由からでした。ブラジルからは多くの潜在的顧客がアクセスしていましたが、ブラジルのスマートフォンの多くが当該アプリに見合った容量を備えておらず、彼らは泣く泣く諦めていたのです。

それを知ったSpotifyは、早速実験を行いました。特定の曲をモバイルサイトでストリーミング出来るように設定したのです。その結果、再生ユーザー数は25%上昇しました。実験は拡大され、アプリのダウンロード版と、モバイルサイトでのストリーミング再生版とを両方装備して、両者を比較検討しました。

その結果、1日の再生数は54%上昇し、2か月後のアクティブユーザーは14%増加し、離れていたユーザーの再ログイン率は30%増えたのです。興味深いのは、モバイルサイトでの再生を装備しても、アプリのダウンロードと競合することはなく、ストリーミングに興じたユーザーはむしろ、積極的にダウンロードするように変わった点です。彼らの30%がアプリに鞍替えしたという驚くべき事実です。Spotifyの称えられるべきポイントは、向こう見ずに試すのではなく、きちんと実験を繰り返したところでしょう。そうした下準備が非常に大切です。